1.被相続人の事業を相続人が承継して青色申請をする場合
参考:青色申請とは・・・
事業等(不動産・山林)を行う人が、一定の帳簿書類を備え付け、税務署長に青色申告の承認申請をしてその承認を受けた場合は、青色申告書が提出することができます。 この場合税務上色々な特典が認められています。
青色申告の特典(例)
- 青色申告特別控除が65万円あります。(帳簿が、正規の簿記で記帳されている場合)
- 専従者給与が支給でき、原則全額必要経費になります。
- 純損失の繰越が3年間できます。
- 貸倒引当金等の一定の引当額を経費とすることができます。
- その他
被相続人が白色申告のとき
相続人は、被相続人が他界した日の翌日から2か月以内に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出することになります。
被相続人が青色申告のとき
相続人は、被相続人が他界した日の翌日から4か月以内に税務署へ青色申告承認申請書」を提出することになります。
2.消費税の手続き
あった年に事業を承継した場合、被相続人の基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えているときは、4か月以内に消費税の申告・納税を行うことになります。
事業の承継を受けた人が、相続のあった年の翌年より消費税の計算方式(本則・簡易)を変更等したい場合は、相続のあった年の年末までに、税務署へ届出を出す必要があります。
3.準確定申告(所得税・消費税)の手続き
被相続人の確定申告を通常の確定申告と区別して「準確定申告」といいます。 この準確定申告の申告期限は、他界された日の翌日から4ヶ月以内です。
準確定申告の手続きが必要な方の例
- 生前に毎年確定申告を行っていた人(事業・不動産・年金等の収入がある人)
- 事業や不動産等の収入がある方で、前々年の収入(売上高)が1,000万円を超えている方は、消費税の申告・納税が必要になる場合もあります。
- 会社にお勤続中に他界された方で、年末調整を行っていない方
- その他
準確定申告を行うことで、所得税の納付・または還付をうけることができます。
この場合、通常の確定申告とは異なり、別途附表を添付して税務署へ提出することになります。
4.根抵当権の承継
個人事業主など根抵当権で融資を受けていた人(債務者)が死亡した場合、まだ残っている債務(借入金)は相続人全員が自動的に相続します。相続人(妻、子、親など)は借入金は相続したくありませんと言えません。 しかし、借入金を相続したくないばかりに相続放棄をするとプラスの財産も相続する権利を失ってしまいます。根抵当権による借入金を相続したくないからといって相続放棄をすることは現実的ではありません。全員が相続をする登記をした上で、次の段階の「指定債務者合意」の登記で金融機関と相続人が新たに債務を引き継いで金融機関と取引を継続する相続人を決めます。必ずしも相続人全員が根抵当権の債務を引き継ぐ訳ではありません。 しかし、この根抵当権の指定債務者の登記は、相続発生から6か月以内に合意するだけでなく登記まで申請しなければなりませんのでご注意下さい。