生前贈与における贈与税

贈与税とは、個人から個人へ無償で財産を与えた場合に、財産をもらった人が、その価額が基礎控除(110万円)を超えた場合にかかる税金です。

 (贈与者:あげた人) (受贈者:もらった人)
個人 個人贈与税
個人 法人法人税(受贈益)
法人 個人所得税(一時所得等)

▼贈与税の対象となる条件

  1. 贈与者(財産をあげる側)と受贈者(財産をもらう側)の各々が贈与の意思表示が出ていること。贈与税の対象となる条件
  2. 贈与財産を引渡していること(名義書換や登記等)
  3. 受贈者がもらった財産を管理し、収益を享受(自由に使用できる)できる環境にあること。

よく親が自分の子供や孫の名義で銀行口座をつくって預金をしている場合があります。この場合、上記の(1)から(3)の条件が整っていなければ、贈与したことにはなりません。もし親が他界した場合には、この子供や孫名義の預金口座は、親の借名口座となり、相続財産となります。

▼贈与税がかからない場合の例

  1. 法人からの贈与より取得した財産・・・贈与税ではなく所得税の対象
  2. 通常必要と認められる範囲内の扶養義務者から生活費や教育費のための贈与財産
  3. 社交上必要と認められる香典・祝物・見舞金等
  4. 相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産 ・・・相続税の対象となります(注)
  5. その他

注)相続開始の年に、被相続人である贈与者から贈与により財産を取得した場合であっても、その被相続人から相続または遺贈により財産を取得しない場合には通常通り贈与税がかかります。

制度の概要

夫婦間で居住用不動産を贈与した場合の配偶者控除とは、婚姻届出を提出してから20年以上経過している夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を購入するための資金の贈与が行われた場合は、基礎控除110万円に加え最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。

(1)婚姻期間の計算の方法

婚姻の届出があった日から、その居住用不動産(居住用不動産を購入す金)を贈与の日までの期間を計算します。
したがって事実上婚姻をしていても、入籍がされていない期間がある場合、この婚姻期間に含まれません。
またその計算した婚姻期間に1年未満の端数がある場合は切り捨てますので婚姻期間が19年を超え20年未満の時はこの配偶者控除は受けられません。

(2)配偶者控除を受けるための要件

  • 夫婦の婚姻期間が20年を経過した後に贈与が行われたこと
  • 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための不動産であること又は自分が住むための不動産を購入するための資金であること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた資金で購入した国内の居住用不動産に、贈与を受けた配偶者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
  • 配偶者控除は同じ配偶者の間では一生に一度しか適用を受けることができません。

(3)手続き

次の書類を付けて、贈与税の申告をすることが必要です。

  • 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本
  • 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し
  • 居住用不動産の登記事項証明書
  • その居住用不動産に住んだ以後に作成された住民票の写し
  • ただし、戸籍の附票の写しに記載されている住所が居住用不動産の所在場所である場合には、住民票の写しの添付は不要です

(4)居住用不動産の範囲

居住用不動産とは、贈与を受けた夫や妻が住むための国内の家屋又はその家屋の敷地であることが条件です。居住用家屋の敷地には借地権も含まれます。なお、その家屋と敷地は一括して贈与を受ける必要は全くありません。
したがって、家屋のみやその敷地だけの贈与を受けることができます。この家屋の敷地だけの贈与を受けるときには、その家屋の所有者が次の二つのいずれかの条件に当てはまることが必要です。

  • 夫又は妻がお互い住むための家屋を所有していること。
  • 夫又は妻と同居する親族が居住用家屋を所有していること。

また、敷地の贈与を受ける場合には敷地の一部の贈与を受けることができます。なお、居住用家屋の敷地が借地のときに資金の贈与を受けて、地主から底地を購入する場合も認められます。

(5)相続税との関係

相続税の計算する場合、相続により財産を取得した人(相続人)が、その相続の開始前3年以内に、その亡くなった人(被相続人)の財産を贈与にて受けたことがある場合には、その贈与によって取得した財産を贈与した時点の価額(評価額)で、相続税の対象となる財産の価額に加算しなくてはなりません。
この贈与を行った時に贈与税を納付している場合は、相続税よりその贈与税を引くことができます。
しかし、この配偶者控除にて居住用不動産を取得した場合(または居住用不動産を購入するための資金)は、この相続開始前3年以内の贈与財産として加算する必要はありません。
そのため相続税が気になっていらっしゃる方は、この配偶者控除の適用を検討されると良いかもしれませんね。

【平成20年5月1日現在の法令より/国税庁 タックスアンサー参照】

▼親や祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

(1)制度の概要

平成21年1月1日から平成23年12月31日までの期間に、親や祖父母から住宅を取得するために資金を贈与受けた方が、翌年の3月15日までにその住宅を取得する資金を自己が居住する家屋を新築や増改築に充てた場合、一定の住宅取得資金の贈与税が非課税となります。

(2)贈与を受けるものの条件

次の要件を全て満たす方だけ、非課税の特例対象となります。

  1. 贈与を受けたときに日本国内の住所を有すること。または贈与を受けたときに日本国内に住所を持っていなくても日本国籍があり、かつ、贈与する側と贈与される側がその贈与する前5年以内に日本国内に住所があったこと
  2. 贈与を受けたときに贈与する人の子供や孫であること。
  3. 贈与を受けた年の1月1日に20歳以上であること。
  4. 贈与受けた年の合計所得が、2,000万円以下であること。

(3)非課税となる金額

  1. 平成21年分の贈与
    500万円(上記④を満たさない場合も同じ)
  2. 平成22年分の贈与
    1,500万円(平成21年に非課税特例を適用している場合は、その金額を控除・上記④を満たさない場合も同じ)
  3. 平成23年分の贈与
    • 平成21年分の非課税特例を適用している場合は、平成23年分の非課税特例の適用はありません。
    • 平成22年分の非課税特例を適用している場合は、1,500万円から平成22年分の非課税特例を適用した金額を差し引いた残額です。
      ただし、平成21年分で上記④の要件を満たさない場合の非課税特例(限度額500万円)を適用している場合は、平成23年分の非課税特例は受けられません。
    • 平成22年分で非課税特例の適用を受けていない場合は、1,000万円になります。上記④の要件を満たさない場合は、平成23年分の非課税特例を適用することはできません。

平成21年分の非課税特例を適用している場合は、平成23年分の非課税特例の適用はありません。
平成22年分の非課税特例を適用している場合は、1,500万円から平成22年分の非課税特例を適用した金額を差し引いた残額です。
ただし、平成21年分で上記④の要件を満たさない場合の非課税特例(限度額500万円)を適用している場合は、平成23年分の非課税特例は受けられません。
平成22年分で非課税特例の適用を受けていない場合は、1,000万円になります。上記④の要件を満たさない場合は、平成23年分の非課税特例を適用することはできません。

(4)非課税の特例の適用を受けるための手続き

この非課税特例の適用を受けるためには、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに下記の書類を所轄の税務署へ提出する必要があります。

  1. 非課税特例を受ける旨を記載した贈与税申告書
  2. 戸籍謄本
  3. 住民票の写し
  4. 登記事項証明書
  5. 住宅建築契約書の写し